用語集

多発性骨髄腫に関する用語をわかりやすく解説しています。

[ 監修:日本医科大学 血液内科 准教授 田村秀人 先生 ]

アポトーシスあぽとーしす

細胞が、細胞自身があらかじめもっている遺伝子の働きによって死滅することをいいます。一部の多発性骨髄腫のお薬は、骨髄腫細胞のアポトーシスを引き起して、骨髄腫細胞を減少させると考えられています。

アミロイドあみろいど

細胞や組織に沈着しやすい性質をもつ線維状の異常な蛋白質です。多発性骨髄腫では、骨髄腫細胞からつくられる役に立たない抗体(M蛋白)がもとになりアミロイドがつくられます。

アミロイドーシスあみろいどーしす

異常な蛋白質であるアミロイドが、いろいろな臓器に沈着し障害を引き起こす病気です。尿が減る、むくみ、不整脈、手足のしびれ、下痢などの症状がみられます。

アルカリフォスファターゼ(ALP)あるかりふぉすふぁたーぜ

肝臓、骨、腸、腎臓、乳腺、胎盤などに多く存在する酵素です。これらの臓器が障害を受けると血中に流れ出てきて、高い値となります。多発性骨髄腫では、血清アルカリフォスファターゼ値が正常より上昇することがあります。

アルキル化剤あるきるかざい

代表的な抗がん剤の一種で、がん細胞の増殖を抑制する働きがあります。

アルゴリズム(治療アルゴリズム)あるごりずむ

病気の治療法を選択する際の、全体的な進め方の基準を示したものです。

アルブミンあるぶみん

血清中に含まれる蛋白のなかで最も量の多い蛋白質です。多発性骨髄腫では、血清アルブミン値が正常より低下します。

維持療法いじりょうほう

治療により効果が得られた後も、その効果を長く維持したり、再発を予防するために続ける治療法をいいます。

打ち抜き像うちぬきぞう

パンチドアウト(は行「パンチドアウト」参照)

エビデンスえびでんす

そのまま訳すと証拠や根拠という意味です。病気に対して、ある治療法やお薬がよい効果を示すことを裏付ける論文やデータがある場合、「効果のエビデンスがある」という使われ方をします。

化学療法かがくりょうほう

がん細胞を直接、殺したり弱めたりする化学物質を、お薬として用いる治療のことをいいます。

顎骨壊死がっこつえし

発生率は低いですが、骨病変や高カルシウム血症を治療するお薬を使用している患者さんにみられる、顎の骨の一部が腐ったようになる副作用です。そのお薬を使用する際に、口のなかを清潔にすることや、抜歯を避けることなどにより、多くの場合は予防することができます。

合併症がっぺいしょう

厳密には、一つの病気が原因で発症する別の病気のことをいいます。しかし一般的には、二つの病気が互いに関連がない場合も、合併症と呼ばれることがあります。多発性骨髄腫では、骨病変、高カルシウム血症、腎障害、貧血、感染症、過粘稠度症候群、アミロイド―シスなどが合併症としてよくみられます。

過粘稠度症候群かねんちょうどしょうこうぐん

血液中に不要な成分がたまって血液がドロドロの状態になり、出血症状(鼻、眼、口のなかなど)、意識障害、腎障害などがみられる病気です。多発性骨髄腫では、過剰につくられたM蛋白が血液中にたまることにより発症します。

顆粒球かりゅうきゅう

白血球のうち、細胞内に特殊な顆粒状(つぶつぶ)の成分をもつ細胞を示します。顆粒球は、さらに細かく好中球、好酸球、好塩基球に分けられます。

寛解かんかい

治療により、がんの症状が軽減や消失したり、がん細胞が減少や消失する効果が得られた場合をいいます。効果の程度によって、完全寛解(奏効)、部分寛解(奏効)などに分けられます。

寛解導入療法かんかいどうにゅうりょうほう

がんの症状の改善やがん細胞の減少や消失(寛解)を目的として、最初に行う治療法のことをいいます。

幹細胞採取かんさいぼうさいしゅ

造血幹細胞採取(さ行「造血幹細胞採取」参照)

間質性肺炎かんしつせいはいえん

肺の間質と呼ばれる部分を中心に炎症を起こす疾患の総称です。抗がん剤の副作用として現れることがあります。

完全寛解(完全奏効)かんぜんかんかい(かんぜんそうこう)

治療により、がんの症状やがん細胞が完全、あるいはほぼ完全に消失する効果が得られた場合をいいます。いくつかの学会などにより多発性骨髄腫における完全寛解(奏効)の詳しい定義が決められています。

感染症かんせんしょう

細菌、ウイルス、真菌などの微生物が体に感染して増殖を続けることが原因で、発熱などの様々な症状が引き起こされた状態です。多発性骨髄腫では、微生物を攻撃する抗体の減少、骨髄腫細胞や治療に使用するお薬の影響により免疫が低下するため、感染症にかかりやすくなります。

救援療法きゅうえんりょうほう

サルベージ療法(さ行「サルベージ療法」参照)

胸椎きょうつい

胸の位置にある背骨の一部です。

くすぶり型骨髄腫くすぶりがたこつずいしゅ

無症候性骨髄腫(ま行「無症候性骨髄腫」参照)

クレアチニンくれあちにん

血液中から尿中に排泄される不要な成分の一種で、腎機能の測定に用いられます。血清クレアチニン濃度の上昇は腎機能の低下を示します。

クレアチニンクリアランスくれあちにんくりあらんす

体にとって不要な成分であるクレアチニンを除去する腎臓の能力を検査する方法です。腎機能が低下した患者さんでは、クレアチニンクリアランス値が低下します。

クロウ・フカセ症候群(POEMS症候群)くろう・ふかせしょうこうぐん

異常な形質細胞の増殖に伴ってつくられる特殊な蛋白質によって、末梢神経障害、手足のむくみ、皮膚の変化、胸水・腹水など、全身に様々な症状が現れる病気です。

グロブリンぐろぶりん

血清中でアルブミンの次に量の多い蛋白質です。細菌やウイルスなどの異物から体を守る免疫やアレルギー反応に重要な働きをもちます。

形質細胞けいしつさいぼう

リンパ球の一種であるB細胞が分化してできる細胞で、抗体をつくって細菌やウイルスなどの異物を攻撃します。しかし、多発性骨髄腫では、形質細胞に異常が起こり、がん化して骨髄腫細胞となり、役に立たない抗体(M蛋白)をつくり続けます。

形質細胞白血病けいしつさいぼうはっけつびょう

多発性骨髄腫の一種です。末梢血中の骨髄腫細胞が増加する病気で、多くは多発性骨髄腫が進行することにより発症します。

血液細胞けつえきさいぼう

血液中にある赤血球、白血球、血小板などのすべての細胞成分のことをいいます。

血液専門医けつえきせんもんい

日本血液学会の血液専門医資格認定試験に合格し、血液の病気の総合的な診断や治療を行うことのできる医師のことをいいます。

血液内科けつえきないか

血液の病気を専門に診断や治療を行う診療科です。

血小板けっしょうばん

血液細胞の一種で、出血した際に血を止めるための重要な働きをもちます。

好塩基球こうえんききゅう

白血球の一種で、細菌やウイルスなどの異物から体を守る免疫やアレルギー反応に重要な働きをもちます。

高カルシウム血症こうかるしうむけっしょう

血中カルシウム濃度が上がり、口の渇きや意識障害などがみられる状態です。多発性骨髄腫で骨病変のある患者さんでは骨が溶解し、骨のカルシウムが血中に溶け出すため、血中のカルシウム濃度が上昇して高カルシウム血症を発症します。

抗菌薬(抗生剤、抗生物質)こうきんやく(こうせいざい、こうせいぶっしつ)

抗菌薬は、細菌の増殖を抑制したり、殺したりする働きのあるお薬で、感染症の治療や予防に用いられます。

口腔粘膜障害こうくうねんまくしょうがい

口のなかの粘膜の障害です。抗がん剤の副作用により起こることがあります。

好酸球こうさんきゅう

白血球の一種で、アレルギー反応に関連して働き、主にアレルギー性疾患で増加します。

抗体こうたい

細菌やウイルスなどの異物が体に入ってきたときに、これらと結合して無毒化したり、体の外に排出し、感染を防ぐ免疫の機能に重要な働きをする蛋白質です。多発性骨髄腫では、細菌やウイルスなどの異物を攻撃することのできない、役に立たない抗体(M蛋白)が大量につくられます。

好中球こうちゅうきゅう

白血球の一種で、細菌やウイルスなどの異物から体を守る免疫に重要な働きをもちます。

国際病期分類システムこくさいびょうきぶんるいしすてむ

ISS分類(I行「ISS分類」参照)

骨芽細胞こつがさいぼう

骨をつくる細胞です。骨はいつも同じような状態にみえますが、常に破骨細胞により壊されたり、骨芽細胞によりつくられたりを繰り返しています。多発性骨髄腫では、骨髄腫細胞の影響により、骨芽細胞の働きが抑えられ、骨がつくられにくくなります。

骨髄こつずい

骨の中心にある部位で、造血幹細胞から血液細胞をつくり続けています。

骨髄検査こつずいけんさ

骨髄から骨髄液を採取し、血液をつくる能力や、骨髄腫細胞のような異常な細胞の有無などを確認するための検査です。

骨髄腫細胞こつずいしゅさいぼう

形質細胞に異常が起こり、がん化した細胞です。骨髄腫細胞は骨髄のなかで増え続け、細菌やウイルスなどの異物を攻撃する能力がなく役に立たない抗体(M蛋白)をつくり続けます。

骨髄穿刺こつずいせんし

骨に針を刺し、その骨の内部にある骨髄液を採取する方法です。骨髄液を検査(骨髄検査)することにより、様々な病気の検査や、血液細胞をつくる能力を検査することができます。

骨髄抑制こつずいよくせい

骨髄において血液細胞をつくる能力が低下した状態をいいます。多発性骨髄腫では、骨髄腫細胞や治療に使用するお薬の影響により、骨髄抑制がみられます。骨髄抑制が起こると、赤血球の減少による貧血、白血球の減少による免疫の低下、血小板の減少による出血などが起こります。

骨粗鬆症こつそしょうしょう

骨がスポンジのようにスカスカになり、もろくなる病気です。加齢によるホルモンの変化やカルシウム量の低下などが原因で、多発性骨髄腫の骨病変とは別の原因によるものです。

骨病変こつびょうへん

骨にみられる様々な異常です。多発性骨髄腫では、骨髄腫細胞の影響により骨の溶解が進むために、多くの患者さんで骨病変がみられます。骨病変が進行すると骨の痛みが発生したり、骨折の原因になることがあります。

催奇形性さいきけいせい

お薬や放射性物質などが、妊娠中の胎児に重大な障害を引き起こすことをいいます。

細菌感染症さいきんかんせんしょう

細菌が原因となる感染症です。多発性骨髄腫では、骨髄腫細胞や治療に使用するお薬の影響により免疫が低下するため、細菌感染症にかかりやすくなります。

サイクルさいくる

がんの治療は、通常、決められた治療が3週間ごと、あるいは4週間ごとなどの一定の周期で繰り返し行われます。この決められた治療の周期をサイクルといいます。

再燃さいねん

病気が治療により安定した効果が得られていた後、再び悪くなることをいいます。

再発さいはつ

病気が治療により完全奏効となった後、再び同じ病気が悪化することをいいます。

サルベージ療法(救援療法)さるべーじりょうほう

病気に対して、様々な治療を行っても効果が十分でない場合、あるいは再発を繰り返す場合に行う治療をいいます。

自家造血幹細胞移植(自己造血幹細胞移植)じかぞうけつかんさいぼういしょく(じこぞうけつかんさいぼういしょく)

あらかじめ採取しておいた患者さん自身の造血幹細胞を、再び体内に戻し(移植し)、血液をつくる機能を正常に回復させる方法です。造血幹細胞移植を行う際には、造血幹細胞を一時的に増やすお薬を使用し、末梢血中の造血幹細胞を増やして採取し、冷凍保存します。その後、大量化学療法を行い、保存しておいた造血幹細胞を再び患者さんの体内に戻し(移植し)、血液をつくる機能が正常になるのを待ちます。自家造血幹細胞移植が普及したことにより、多発性骨髄腫の治療成績は向上しました。

地固め療法じがためりょうほう

治療の効果が得られた後、その効果をより確実にするために行う治療のことをいいます。

支持療法しじりょうほう

病気そのものに対する治療ではなく、病気の合併症や症状、治療の副作用を抑えるために行われる治療のことをいいます。

腫瘍細胞しゅようさいぼう

がん細胞のことです。がんの原因となる細胞で、異常な増殖を続けます。多発性骨髄腫の原因となる骨髄腫細胞も腫瘍細胞の一種です。

腫瘍崩壊症候群しゅようほうかいしょうこうぐん

抗がん剤により、骨髄腫細胞などのがん細胞が急速に死滅するために生じる体の異常です。体内の尿酸が増える、カリウム、カルシウム、リンなどのバランスが崩れる、血液が酸性になる、尿の量が減少するなどの症状がみられます。

症候性多発性骨髄腫(症候性骨髄腫)しょうこうせいたはつせいこつずいしゅ(しょうこうせいこつずいしゅ)

骨髄腫細胞やM蛋白の増加により多発性骨髄腫と診断された患者さんで、血清カルシウム値の上昇、腎臓障害、貧血、骨病変など、代表的な多発性骨髄腫の症状がみられる状態をいいます。一般的に、症候性多発性骨髄腫と診断されたら、治療が開始されます。

腎炎じんえん

細菌による腎臓の感染症です。むくみ、蛋白尿、血尿、高血圧などの症状がみられます。

新規薬剤しんきやくざい

病気の治療に使用される新しいお薬のことをいいます。多発性骨髄腫では、2000年以降に登場したお薬を新規薬剤といいます。新規薬剤が使用されるようになり、治療成績が向上しています。

真菌しんきん

カビの仲間の総称です。免疫機能の正常な人が真菌に感染することはほとんどありませんが、多発性骨髄腫では、骨髄腫細胞や治療に使用するお薬の影響により免疫が低下するため、真菌による感染症が起こることがあります。

腎障害じんしょうがい

腎機能が低下した状態です。多発性骨髄腫では、腎臓へのM蛋白の沈着や、高カルシウム血症などが原因で、腎障害を起こしやすくなります。悪化すると腎不全となり、食欲不振や吐き気・嘔吐などがみられ、その後尿量の減少やむくみなどが現れます。

腎不全じんふぜん

腎機能の低下が進行し、停止した状態です。多発性骨髄腫では、腎臓へのM蛋白の沈着や、高カルシウム血症などを原因とする腎障害が進行して起こります。体内の余分で不要な水分を血液から除去できなくなり、体内の化学物質のバランスを保てなくなります。

ステージ(病期)すてーじ

病期(は行「病期」参照)

生存期間(OS)せいぞんきかん

病気が診断された後、また病気の治療を行った後に、生存することができた期間をいいます。

生存率せいぞんりつ

病気にかかった場合、またその病気の治療を行った場合、あとどれくらい生存できるかの目安です。たとえば、5年生存率70%というのは、5年後に生存している可能性が7割であることを示します。

生着せいちゃく

移植した臓器が、移植後に正常な働きを回復した状態をいいます。多発性骨髄腫では、造血幹細胞を患者さんに移植した後に、移植した造血幹細胞が骨髄で分化して、血液細胞が増えて再び正常な働きを回復した状態をいいます。

セカンドオピニオンせかんどおぴにおん

ある病院の特定の先生からだけではなく、別の診療科や別の病院の先生にも、診断や治療に関して考え方を聞くことをいいます。セカンドオピニオンを聞くことにより、より多くの治療法のなかから、治療の選択が可能になることがあります。

赤血球せっけっきゅう

血液細胞の一種で、酸素を運ぶ役割をもつ細胞です。多発性骨髄腫では、骨髄腫細胞の影響により赤血球が減少するため、貧血などの症状が現れます。

仙骨せんこつ

骨盤の中央にあり、背骨の一番下にある骨です。

造血幹細胞ぞうけつかんさいぼう

主に骨髄に存在し、すべての血液細胞のもとになる細胞です。

造血幹細胞移植ぞうけつかんさいぼういしょく

あらかじめ採取しておいた造血幹細胞を、輸血と同じように点滴注射で再び体内に戻し(移植し)、血液をつくる機能を正常に回復させる方法です。

造血幹細胞採取(幹細胞採取)ぞうけつかんさいぼうさいしゅ(かんさいぼうさいしゅ)

造血幹細胞移植を実施する前に、移植に必要な造血幹細胞を採取することをいいます。ほとんどの場合、末梢血から採取されます。造血幹細胞は、通常の状態では末梢血中にはほとんど存在しません。そのため、化学療法の後、造血幹細胞を一時的に増やすお薬を使用し、末梢血中の造血幹細胞を増やして採取し保存します。

奏効率そうこうりつ

病気の治療後、治療の効果がどの程度の割合の患者さんにみられたかをいいます。たとえば、奏効率70%であれば、70%の患者さんに治療の効果があったことを示します。

総蛋白そうたんぱく

血清中に含まれるすべての蛋白質の合計です。多発性骨髄腫では、総蛋白の増加や減少がみられます。

帯状疱疹たいじょうほうしん

帯状疱疹ウイルスによる感染症です。多発性骨髄腫では、骨髄腫細胞や治療に使用するお薬の影響により免疫が低下するため、帯状疱疹などの感染症にかかりやすくなります。

大量化学療法たいりょうかがくりょうほう

多発性骨髄腫の患者さんが造血幹細胞移植を行う前に、大量の抗がん剤を用いて骨髄腫細胞を死滅させる方法です。

多剤併用化学療法たざいへいようかがくりょうほう

がん治療のために、がん細胞に対して異なる作用をもつ複数の抗がん剤(化学療法薬)を同時に使用する方法です。多発性骨髄腫に対しても、多剤併用化学療法が用いられます。

多発性骨髄腫たはつせいこつずいしゅ

骨髄中で骨髄腫細胞が増え続けて、異物を攻撃する能力がなく役に立たない抗体(M蛋白)をつくり続け、これらの骨髄腫細胞やM蛋白の影響により、様々な悪い症状が現れる病気です。

単球たんきゅう

白血球の一種で、細菌やウイルスなどの異物から体を守る免疫に重要な働きをもちます。

タンデム移植たんでむいしょく

自家造血幹細胞移植を、3〜4ヵ月の間に連続して2回行う方法をいいます。

蛋白分画検査たんぱくぶんかくけんさ

様々な蛋白質を、重さに応じて分類し、それぞれの蛋白質の量を検査する方法で、多発性骨髄腫の診断に用いられます。多発性骨髄腫の患者さんの血清の蛋白を蛋白分画検査を用いて分類すると、M蛋白の量が多いためMピークといわれる高い山が検出されます。

治療アルゴリズムちりょうあるごりずむ

アルゴリズム(あ行「アルゴリズム」参照)

治療成績ちりょうせいせき

病気の治療による効果の程度をいいます。

デューリーとサーモンの病期分類(Durie & Salmon病期分類)でゅーりーとさーもんのびょうきぶんるい

古くから(1975年)世界中で広く使用されている多発性骨髄腫の分類基準です。骨病変の程度とヘモグロビンなどの様々な検査値を用いて、重症度の判定を行います。

同種造血幹細胞移植(同種移植)どうしゅぞうけつかんさいぼういしょく(どうしゅいしょく)

あらかじめ採取しておいた患者さん以外の造血幹細胞を、患者さんの体内に移植し、血液をつくる機能を正常に回復させる方法です。

ナチュラルキラー細胞(NK細胞)なちゅらるきらーさいぼう

リンパ球の一種で、細菌やウイルスなどの異物から体を守る免疫に重要な役割をもちます。

難治性なんちせい

治療を行っても、病気が非常に治りにくい状態のことをいいます。

二次発がんにじはつがん

現在発生しているがん以外に、新たに別のがんが発生することをいいます。

乳酸脱水素酵素(LDH)にゅうさんだっすいそこうそ

肝臓、赤血球、筋肉、がん細胞などに多く含まれる酵素です。多発性骨髄腫では、乳酸脱水素酵素の上昇がみられることがあります。

尿素窒素(BUN)にょうそちっそ

血清中に含まれる尿素です。腎機能が低下すると、尿素窒素値が上昇します。

尿毒症にょうどくしょう

腎機能が低下し、本来は尿中に排泄されるべき成分が血中にたまって起こる中毒症状です。嘔吐、頭痛、むくみ、意識障害などの症状がみられます。

破骨細胞はこつさいぼう

骨を溶かしたり壊したりする細胞です。骨はいつも同じような状態にみえますが、常に破骨細胞により壊されたり、骨芽細胞によりつくられたりを繰り返しています。多発性骨髄腫では、骨髄腫細胞の影響により、破骨細胞の働きが強められ、骨の溶解が進みます。

白血球はっけっきゅう

血液細胞の一種で、細菌やウイルスなどの異物から体を守る免疫に重要な役割をもちます。白血球は、好中球・好酸球・好塩基球・リンパ球・単球の5種類に分けられます。

パンチドアウト(打ち抜き像)ぱんちどあうと

レントゲン検査で頭蓋骨に丸い穴が開いたようにみられる病変をいいます。多発性骨髄腫の患者さんで、頭蓋骨の骨の溶解が進行することによりみられます。

ビスホスホネート製剤びすほすほねーとせいざい

骨病変の治療に使用するお薬です。多発性骨髄腫では、骨髄腫細胞の影響により骨の溶解が進行しますが、ビスホスホネート製剤は、骨を壊す破骨細胞の働きを弱めることにより、骨病変の進行を抑制します。

非分泌型骨髄腫ひぶんぴつがたこつずいしゅ

多発性骨髄腫の一種です。多発性骨髄腫に特有の症状はみられるが、M蛋白の上昇がみられない状態をいいます。

病期(ステージ)びょうき

病気の重症度や進行の程度を段階的に表す基準です。通常、病期I、病II、病期IIIなどで表し、数字が多いほど、重症で病気が進行していることを示します。

貧血ひんけつ

血液中で酸素を運ぶ赤血球やヘモグロビンが減少するために、めまい、疲労感、息切れ、動悸などの症状が現れる状態で、一般的に最も多い原因は鉄分の不足によるものです。一方、多発性骨髄腫では、骨髄において骨髄腫細胞が増え続けるため、赤血球がつくられにくくなることが原因で貧血が起こりやすくなります。

副腎皮質ステロイド薬(副腎皮質ホルモン薬)ふくじんひしつすてろいどやく(ふくじんひしつほるもんやく)

副腎皮質でつくられるホルモンと同じ成分を含むお薬で、炎症を抑える目的などに使用されます。骨髄腫細胞を抑える働きもあり、多発性骨髄腫の治療薬としても使用されます。

部分寛解(部分奏効)ぶぶんかんかい(ぶぶんそうこう)

治療により、がんの症状が軽減したり、がん細胞が一定量まで消失する効果が得られた場合をいいます。いくつかの学会などにより多発性骨髄腫における部分寛解(奏効)の詳しい定義が決められています。

フリーライトチェーン検査(FLC検査)ふりーらいとちぇーんけんさ

骨髄腫細胞は、フリーライトチェーン(遊離軽鎖)という蛋白もつくるため、多発性骨髄腫では、フリーライトチェーンの量や種類が異常を示し、診断や治療の効果をみるのに使用されます。

プロテアソームぷろてあそーむ

細胞のなかにある蛋白質を分解する酵素の集団です。

プロテアソーム阻害薬ぷろてあそーむそがいやく

多発性骨髄腫の治療に用いる、細胞のなかにある蛋白質を分解する酵素の働きを抑えるお薬です。

分化ぶんか

単一なものが、成熟して複雑に分かれていくことをいいます。たとえば、造血幹細胞から、赤血球、白血球、血小板などがつくられることも分化によるものです。

ヘマトクリットへまとくりっと

血液中に占める血球の体積の割合を示す数値です。貧血の患者さんでは、ヘマトクリット値が低下します。

ヘモグロビンへもぐろびん

赤血球に含まれる蛋白質で、酸素分子と結合する性質をもち、肺から全身へと酸素を運搬する働きをもちます。貧血の患者さんでは、ヘモグロビン値が低下します。

ヘルパーT細胞へるぱーてぃーさいぼう

リンパ球の一種で、細菌やウイルスなどの異物から体を守る免疫に重要な働きをもちます。

ベンス・ジョーンズ蛋白べんす・じょーんずたんぱく

骨髄腫細胞でつくられる異常な蛋白質です。多くの多発性骨髄腫患者さんの尿中にみられます。

補液(輸液)ほえき(ゆえき)

水分や電解質などを点滴注射により投与する治療法です。

本態性M蛋白血症ほんたいせいえむたんぱくけっしょう

MGUS(M行「MGUS」参照)

末梢血まっしょうけつ

血管を流れている血液のことをいいます。骨髄や脾臓・肝臓にある血液やリンパ、組織液、臍帯血などと区別するために末梢血と呼ばれます。

末梢血造血幹細胞まっしょうけつぞうけつかんさいぼう

末梢血中にある造血幹細胞のことをいいます。

末梢神経障害まっしょうしんけいしょうがい

身体の様々な部位に痛みやしびれ、筋力低下などが起きる神経系の障害です。通常は手か足の先から始まり、時間とともに悪化していきます。抗がん剤の副作用として現れることがあります。

慢性腎炎まんせいじんえん

長期にわたり腎機能が低下し、血尿・蛋白尿が少なくても1年以上持続する状態をいいます。

無症候性骨髄腫(くすぶり型骨髄腫)むしょうこうせいこつずいしゅ

多発性骨髄腫に特有の症状(骨病変、高カルシウム血症、腎障害、貧血)はみられないが、骨髄腫細胞やM蛋白の増加がみられる状態をいいます。

無増悪期間(TTP)むぞうあくきかん

病気が治療により良くなった後、悪化しない状態が続いている期間をいいます。

無増悪生存期間(PFS)むぞうあくせいぞんきかん

病気が治療により良くなった後、悪化しない状態で生存が可能であった期間をいいます。

免疫めんえき

生物が生まれながらにもっている、細菌やウイルスなどの異物から体を守る力のことをいいます。

免疫グロブリン(Ig)めんえきぐろぶりん

血清中に含まれる蛋白質の一種です。免疫グロブリンは、細菌やウイルスなどの異物を攻撃する抗体と同じものです。

免疫固定法めんえきこていほう

血清や尿中の蛋白の種類を検査するための検査法で、免疫電気泳動法と比較して微量のM蛋白を検出することができます。

免疫細胞めんえきさいぼう

細菌やウイルスなどの異物から体を守る免疫の働きに関係しているすべての細胞の総称です。

免疫調節薬(IMiDs)めんえきちょうせつやく

多発性骨髄腫の治療に用いる、免疫の機能を調節する作用をもつお薬です。

免疫電気泳動法めんえきでんきえいどうほう

血清や尿中の蛋白の種類を検査するための検査法で、多発性骨髄腫におけるM蛋白を検出するために使用されます。

モノクローナル蛋白ものくろーなるたんぱく

M蛋白(M行「M蛋白」参照)

輸液ゆえき

補液(は行「補液」参照)

予後よご

病気の後、また病気の治療を行った後の患者さんの状態をいいます。

予後因子よごいんし

病気の後、また病気の治療を行った後の患者さんの状態に影響を与える因子のことをいいます。

良性単クローン性高ガンマグロブリン血症りょうせいたんくろーんせいこうがんまぐろぶりんけっしょう

MGUS(M行「MGUS」参照)

リンパ球りんぱきゅう

白血球の一種で、細菌やウイルスなどの異物から体を守る免疫に重要な働きをもちます。リンパ球は大きくBリンパ球、Tリンパ球に分けられます。

B

Bリンパ球(B細胞)びーりんぱきゅう(びーさいぼう)

リンパ球の一種です。体内に細菌やウイルスなどの異物が入ってくると、形質細胞に変化して抗体をつくり異物を攻撃して、私たちの体を守る免疫に重要な働きをします。しかし、多発性骨髄腫では、形質細胞ががん化して骨髄腫細胞となり、異物を攻撃できない役に立たない抗体(M蛋白)をつくり続け、様々な悪い症状を引き起こします。

BUNぶん

尿素窒素(な行「尿素窒素」参照)

β2ミクログロブリンべーたつーみくろぐろぶりん

リンパ球を含め多くの細胞の表面に存在している小さな蛋白質で、血液中や尿中にも少量含まれます。多発性骨髄腫では、β2ミクログロブリン値が正常より上昇します。

C

C反応性蛋白質(CRP)しーはんのうせいたんぱくしつ(しーあーるぴー)

体のなかで、感染や炎症、組織の破壊が起きているときに血中に現れる蛋白質です。多発性骨髄腫では、病気の進行や感染症によりC反応性蛋白質の上昇がみられます。

CRABくらぶ

多発性骨髄腫でみられる4つの主な症状の英語の頭文字をとったものです。Cは高カルシウム(calcium)血症、Rは腎臓(renal)の障害、Aは貧血(anemia)、Bは骨(bone)病変です。

CTしーてぃー

X線を照射しながら身体の周りで機械を回転させ、人体を透過したX線の量をコンピューターで解析して、人体の輪切り画像(横断面)をつくる検査です。従来の検査に比べて、わずかな骨病変や骨髄腫細胞の広がりを発見することができます。

I

lgあいじー

免疫グロブリン(ま行「免疫グロブリン」参照)

lMiDs(免疫調節薬)いみっず

免疫調節薬(ま行「免疫調節薬」参照)

ISS分類(国際病期分類システム)あいえすえすぶんるい

多発性骨髄腫の重症度を分類するための基準です。ISS分類では、血清β2ミクログロブリンと血清アルブミンの2つの検査値のみを用いて、簡便に重症度を判定することができます。

M

M蛋白(モノクローナル蛋白)えむたんぱく

骨髄腫細胞でつくられる、異物を攻撃する能力のない(役に立たない)抗体のことをいいます。

Mピークえむぴーく

多発性骨髄腫の患者さんの血清の蛋白を蛋白分画検査を用いて分類すると、M蛋白の量が多いためM蛋白の量を示す山が高く現れます。これをMピークといいます。

MGUS(本態性M蛋白血症、良性単クローン性高ガンマグロブリン血症)えむがす

意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症の略語です。多発性骨髄腫の症状や骨髄腫細胞の増加はみられないが、M蛋白の増加がみられる状態です。

MRIえむあーるあい

強力な磁石でできた筒のなかに入り、磁石と電磁波を使って人体のあらゆる臓器や組織を撮影する検査です。従来の検査に比べて、わずかな骨病変や骨髄腫細胞の広がりを発見することができます。

N

NCCNガイドラインえぬしーしーえぬがいどらいん

全米における代表的ながんセンターで結成されたガイドライン策定組織NCCN(National Comprehensive Cancer Network)が作成し、年に1回以上改訂が行われ、世界的に広く利用されているがん診療ガイドラインです。様々ながんに対する治療指針が定められています。

NK細胞えぬけーさいぼう

ナチュラルキラー細胞(な行「ナチュラルキラー細胞」参照)

O

OSおーえす

生存期間(さ行「生存期間」参照)

P

PETぺっと

特殊な検査薬を点滴で人体に投与して、全身の細胞のうち、がん細胞だけに目印をつけ、専用の装置で体を撮影することで、がんを発見するための検査法です。従来の検査にくらべて、非常に小さな早期がんまで発見することができます。

PFSぴーえふえす

無増悪生存期間(ま行「無増悪生存期間」参照)

POEMS症候群ぽえむすしょうこうぐん

クロウ・フカセ症候群(か行「クロウ・フカセ症候群」参照)

Q

QOL(Quality of life)きゅーおーえる

生活の質のことをいいます。病気や治療の副作用、後遺症などによって、それまであたりまえに行えた生活ができなくなることがあり、これを「QOLが低下する」などの表現で用います。

T

Tリンパ球(T細胞)てぃーりんぱきゅう(てぃーさいぼう)

リンパ球の一種です。細菌やウイルスなどの異物を攻撃する抗体はつくりませんが、様々なかたちで免疫に重要な働きをもちます。

TTPてぃーてぃーぴー

無増悪期間(ま行「無増悪期間」参照)