多発性骨髄腫の患者さんの多くは、骨折や骨の痛みを経験されています。整形外科医の大谷晃司先生(福島県立医科大学 医療人育成・支援センター 部門長 兼 医学部整形外科 教授)に、整形外科医の視点から、多発性骨髄腫の発見・治療、日常生活での注意点などについてお話を伺いました。

応用編

骨病変とつき合いながら日常生活を送るために

大谷晃司 先生
福島県立医科大学 医療人育成・支援センター
部門長 兼 医学部整形外科 教授

先生からのメッセージ

骨の痛みを和らげる方法はいろいろありますから、我慢せずに相談しましょう

腰痛の原因がわからないまま整形外科に通っていて、実は多発性骨髄腫であったという患者さんがたまにいらっしゃいます。多発性骨髄腫は、治療の開始が遅れると、その後の経過に影響が出る場合がありますので、“多発性骨髄腫に早く気づく”ことは整形外科医の重要な役目だと思っています。

多発性骨髄腫と診断された後も、整形外科医は血液内科の先生と連携しながら、患者さんのサポートを行っています。整形外科医の立場でみると、“腰が痛くて歩けない”など、痛みによって体を動かすことができないと通院しづらくなったり、治療への意欲が低下したりと、多発性骨髄腫の治療を継続していく上で大きな障壁になると思います。骨の痛みは、多発性骨髄腫そのものがよくなってくればしだいに改善されてきますし、鎮痛薬や放射線治療、あるいは骨を強くする注射など、痛みを和らげる方法がいくつもありますので、あきらめる必要はありません。われわれ整形外科医は、一人一人の患者さんに適した最良の治療を行いたいと思っていますので、痛みによって歩けないなど、何か困ったことがあれば、我慢せずに相談してください。