お薬について知ろう

お薬のあれこれ

Q2.
お薬を正しく服用するために、どんなことを知っておくとよいですか?
A2.
お薬の形状(剤形)やお薬ごとに決められた服用時間、副作用などを知っておくとよいでしょう

ここでは、お薬を正しく服用するために必要なお薬の基礎知識について説明します。

なぜ、お薬にはいろいろな形状(剤形)があるの?

お薬には、飲み薬のほか、注射薬や点滴薬など、いろいろな形状があり、これを剤形といいます。お薬にいろいろな剤形があると、副作用や患者さんの生活スタイル、希望に応じて服用方法を選択するのに役に立ちます。たとえば、“Aという飲み薬は胃への刺激が非常に強いので、Bという注射薬の方がいいのではないか”、あるいは“患者さんは入院ではなく自宅で治療を続けたいという希望があるので、点滴薬ではなくCという飲み薬にしよう”など。

お薬をその剤形のまま飲むことは非常に重要です。たとえば、1日1回服用するお薬では、徐々に溶けて吸収されていくように、溶けるスピードを調節する工夫がなされていますし、また、胃への刺激が強いお薬では、胃の中では溶けずに腸で溶けるように調節されていることがあります。したがって、ご自分でお薬を砕いて飲んだり、カプセルから中身だけを取り出して飲んだりすると、その薬本来の溶け方・吸収のされ方が変わってしまい、悪影響が出たり、効果があらわれない場合がありますので気をつけましょう。

なぜ、お薬によって飲む時間が違うの?

飲み薬では食前、食後、食間など、お薬によって飲む時間が異なりますが、それには理由があります。お薬はただ単に飲めばよいというものではなく、そのお薬が“いかにきちんと体に吸収されるか”、“いちばん効くのはどういう状況のときなのか”に基づいて、飲む時間が決められているのです。一般的に食後30分前後に飲むお薬が多いですが、薬によっては、食べたものと混ざるとうまく吸収されないお薬もあります。また、食後の血糖値を下げるようなお薬では、血糖値が上がるまでにお薬が十分に効くような下地をつくっておく必要がありますので、食前に飲む必要があります。また、胃への刺激が強いお薬では、食前ではなく食後に飲むのが一般的です。このように、お薬には効果と安全性を加味して服薬する時間が決められていますので、指示されたとおりの飲み方を守ることが大切です。万一、生活スタイルなどの問題で指示どおりに服用することがむずかしい場合には、主治医の先生に申し出るようにしましょう。

アドバイス

  • 食後に服用するお薬の場合、もし食事ができなくても、ビスケット1枚でもかまいませんので、おなかに入れるようにし、空腹でお薬を飲むのはできるだけ避けましょう。

副作用って何?

基本的に、お薬は体にとって異物です。正しい量を服用すればお薬として用いることができますが、量が多くなると、体によくない作用を及ぼす可能性もあり、これを副作用とみることができます。また、お薬が効いてほしいところに期待する効果が出た場合を主作用と呼び、それ以外を副作用とする考え方もあります。

副作用の出方には個人差があり、どのようにしたら副作用が抑えられるか、軽くできるかは一概には言えません。ただし、処方された量より多く飲んでしまうと副作用が出る原因になりますので、主治医の先生から指示されたとおりに服用しましょう。また、お薬とお薬、あるいはお薬と食べ物の相性が悪いと副作用が出たり、効果が弱くなったりしますので、注意が必要です。さらに、もし過去に何かのお薬でアレルギーが出た経験がある場合は、先生や薬剤師に申し出るようにしてください。

アドバイス

  • お薬は、コップ1杯(約200cc)の水で飲むのが望ましく、もし量が極端に少ないと、お薬が食道に張り付いてしまい、潰瘍のようなものができてしまうことがありますので、十分な水分量をとるように心がけましょう。
  • 水以外のものでお薬を飲むことに関しては、たとえばグレープフルーツジュースや牛乳などと相性が悪いお薬もありますので、主治医の先生や薬剤師に確認しましょう。

気になる症状がみられたら?

なんらかの症状が出たときに、副作用ではないかと疑って、お薬の服用をやめてしまう患者さんがいらっしゃいます。しかし、症状はお薬の副作用による場合もあれば、病気そのものによる場合もありますので、気になる症状がみられたら、ご自分で判断せずに主治医の先生や薬剤師に連絡しましょう。仮に副作用であった場合、主治医の判断でお薬の服用を止めることもあれば、量を調節して服用を続ける場合もあります。

主治医や薬剤師に気になる症状をうまく伝えるには、単に「頭痛がするんですが・・」ではなく、“いつから、どのような痛みが、どんな強さで出たか”、あるいは“どういう状況のときに痛みが出たか”など、具体的に話すとよいでしょう。

(北田徳昭先生)