お薬を服用している患者さんは、お薬を正しく服用し、治療を続けていくことが大切です。薬剤師の立場から、北田徳昭先生(神戸市民病院機構神戸市立医療センター中央市民病院 薬剤部 副部長代行)ならびに柴谷直樹先生(神戸市民病院機構神戸市立医療センター中央市民病院 薬剤部)に、薬の基礎知識、治療を受ける上での注意点、さらに薬剤師が患者さんをどのようにサポートしていらっしゃるのかなどについてお話を伺いました。


応用編

お薬について知ろう

北田徳昭 先生
神戸市民病院機構神戸市立医療センター中央市民病院 薬剤部 副部長代行

柴谷直樹 先生
神戸市民病院機構神戸市立医療センター中央市民病院 薬剤部

薬剤師からのメッセージ

病院のスタッフに自分の気持ちを伝えながら、治療継続に向けていっしょにがんばりましょう

北田先生

まず、患者さんにお伝えしたいのは、“お一人だけで治療に立ち向かっているのではない”ということです。病院には医師や薬剤師、看護師をはじめとして、治療を支えるいろいろな専門スタッフがいますので、心配事や困ったことがあったら、ぜひその人たちに自分の気持ちを話してみましょう。

特に薬剤師には、“お薬が飲めているかどうか”を教えてください。患者さんのお話を聞くことによって、薬剤師は服薬状況を把握できますし、もし飲めていないとしたら、その原因をいっしょに考え、対策を講じることもできます。患者さんにとっては、聞いてくれるスタッフがいることによって、“またがんばってみよう”という気持ちをもっていただけるのではないかと思います。

薬剤師にとって、患者さんとコミュニケーションを図りながら、患者さんが何を望んでいらっしゃるのかをできるだけ短時間で把握することが大切だと思っています。患者さんは、お薬の説明を聞いたり、説明書を読んだりして、お薬のことでも体調のことでもかまいませんので、もし心配なことやわからないことがあればぜひ聞いてください。

2014年の4月から国の制度が変わり、医師だけでなく、薬剤師や看護師が、がん患者さんと関わる機会が増えてきています。今後は外来患者さんにも薬剤師が積極的に声をかけさせていただき、お薬に関して説明やアドバイスを行ったり、相談を受けたりすることが多くなると思います。

柴谷先生

多発性骨髄腫になったというだけで、患者さんはとても不安だと思います。ただ、その不安が少しでも和らぐように、主治医の先生も、看護師も、われわれ薬剤師もサポートさせていただきますので、何でも話してください。

多発性骨髄腫の患者さんの場合、“ちょっとした変化”が意外と重要なことだったり、あるいは何かの前ぶれであることがあります。たとえば、しびれが強くなってきている、便秘がひどくなったなど、“ちょっとした変化”に気づいたときにはすぐ教えてください。多発性骨髄腫の患者さんとお話しする際には、薬剤師も患者さんの“ちょっとした変化”を見逃さないようにしています。

また、多発性骨髄腫では治療期間が長くなりますので、治療を継続することが大きな目標です。治療を続ける意欲を保つためには、お薬の効果が出ることがいちばんですが、お薬を飲んだ翌日にすぐ血液検査の値がよくなるということはあまりありませんので、治療を続けていこうという意欲をもち続けるのは簡単なことではありません。しかし、治療を継続することで徐々によくなっていく場合もあります。1年も2年も経ってから効果が出てくる患者さんもいらっしゃいますので、気長にいっしょにがんばりましょう。