安心して治療を続けるために

看護師の役割とは

Q1.
多発性骨髄腫の治療に、看護師はどのようにかかわっていますか?
A1.
医療チームの中心的な役割を担い、治療や心のケアに携わっています

私の施設では、多発性骨髄腫の患者さんに対して、看護師が中心となった“包括的(全体的)アプローチ”という取り組みを行っていますので、ご紹介します。

多発性骨髄腫は一般に、強度を保った治療をしっかり続けることが予後を改善することにつながります。したがって、副作用とも長く向き合って闘病をせねばなりません。その間、身体や精神をずっとよい状態に保つためには“積極的治療”(病気を改善するための治療)と“支持療法”(病気そのものやお薬の副作用による症状を予防したり、軽くしたりする目的で行われる治療)もどちらも大切です(図1)。そこで、複数の医療専門職のスタッフが連携して、患者さんの支援体制をつくり、チームで患者さんの闘病生活をさまざまな面からサポートすることを目指しています(図2)。そのなかで、看護師は積極的治療と支持療法のどちらにもかかわり、特に“がん化学療法看護認定看護師”[がん化学療法(抗がん剤による治療)について専門的な知識・技術をもった看護師]はチーム医療の中心的な役割を担っています。

図1 看護師が中心となった包括的(全体的)アプローチが行われています(原三信病院の例)

骨髄腫の化学療法では末梢神経障害が起こることが少なくなく、定期的な評価を実施して、適宜薬剤の減量などの調整を行っています。注射薬では注射部位に疼痛や静脈炎などを起こすものもあるため、セルフチェックを指導しています。自家造血幹細胞移植時には、口腔粘膜障害予防のためのクライオセラピー(氷で口を冷却する)を実施しています。また、移植後に体力が低下した状態で退院することによる療養環境の変化を継続的に支援するとともに、移植後の健康状態の維持に、年単位で関わっています。
支持療法では、骨予後を改善する薬剤使用時は、歯科医師とともに口腔ケアの必要性を説明しています。精神的支援として、苦痛の評価をしたり、チームで支持的支援の提供を行っています。
このように、多職種と共同して、看護師が中心となり包括的なアプローチをしています。

図2 医療チームによる支援体制が不可欠です(原三信病院の例)