多発性骨髄腫の治療はこれまで劇的な進歩を遂げ、現在も新しい治療法の開発が盛んに進められています。多発性骨髄腫の治療におけるこれまでの進歩、そして今後の展望などを、島崎千尋先生(京都鞍馬口医療センター副院長)にわかりやすく解説していただきました。

基礎編

治療の進歩と今後の展望

島崎千尋 先生
京都鞍馬口医療センター副院長

先生からのメッセージ

自分の殻に閉じこもってあきらめてしまうのではなく、可能性にかける気持ちがいちばん大切です

多発性骨髄腫と診断され、体調が悪かったり病気が進んでしまうと、誰でも落ち込んでしまいます。しかし、多発性骨髄腫のお薬にはいろいろありますので、これまでの治療で効果がなかったとしても、別のお薬が効く可能性があります。また現在も、非常に有望なお薬の開発が進められていますので、そのようなお薬が使えるようになるまで、今あるお薬を使いながら、なんとか病気をなだめながら、つき合っていくことが大切です。

それと同時に、いつも新しい情報に目を向け、いろいろな情報をどんどん取り入れて、前向きな姿勢で病気と闘っていきましょう。自分の殻に閉じこもってあきらめてしまうのではなく、可能性にかける気持ちがいちばん大切です。一方、いろいろな情報が氾濫していますので、どれが正しい情報か、判断する必要があります。多くの情報のなかから、正しい情報を選んで提供するのが医師の務めですから、迷ったり、気になることがあるときには主治医の先生に質問されるとよいでしょう。最終的にどの治療法を選ぶのかは患者さんが決めるわけですが、実際の治療現場では、教科書に書いていないことが起こりますので、医師の経験が役に立つ場合があります。また、安心して治療を続けていくためには、セカンドオピニオン(主治医の先生とは別の立場の専門医に診断や治療法などに関する意見を聞くこと)を活用することも1つです。大切なのは、患者さんご自身が納得して治療を進めていくことです。

もし、主治医の先生に質問できないようなときは、日常生活のことなどであれば看護師さんや薬剤師さんに相談されるとよいでしょう。看護師さんはいろいろな症状をきめ細かくチェックしてくれますし、薬剤師さんはお薬の副作用(お薬によって、体によくない症状が出ること)などについて詳しく説明してくれると思います。また、いろいろな情報を得るには、多発性骨髄腫の患者さんの会に参加されるのもよいですし、病院によっては、がん患者さんとそのご家族のための集まりや勉強会などを行っているところもありますので、参加してみるのもよいと思います。自分の殻に閉じこもらないようにすることがいちばん大切です。