多発性骨髄腫の主な合併症と治療(後編)

そのほかの合併症

Q5.
そのほかに、気をつけた方がよい合併症はありますか
A5.
お薬の影響による出血傾向や血液がドロドロになる過粘稠度症候群(かねんちょうどしょうこうぐん)に注意する必要があります

多発性骨髄腫の治療中に、出血しやすい、血が止まりにくい、あざができやすいなどの症状が報告されていますが、病気そのものの影響で起こることは少ないようです。むしろ、お薬によって血小板という血を止める細胞が減ってしまうことが原因で、このような症状が出ることがあります。また、多発性骨髄腫のお薬のなかには、血栓(けっせん)症(血がかたまって、血管に詰まること)を起こしやすいものがありますが、このようなお薬といっしょに使う抗血小板剤(血栓を抑えるお薬)によって、あざができやすくなりますので注意した方がよいでしょう。また、血をサラサラにするお薬を使うときにも、注意が必要です。

また多発性骨髄腫では、M蛋白が大量に血液中に出てきますので、血液がドロドロになり、過粘稠度症候群(かねんちょうどしょうこうぐん)を起こすことがあります。主にめまいや頭痛、目が見えにくくなるという症状を伴います。また、過粘稠度症候群は血液に粘りが出て、細い血管が詰まってしまうことによる症状を言いますが、時に鼻出血などの症状も認めます。耳鼻科での止血治療とともにM蛋白を減らすことで改善が得られますので、多発性骨髄腫そのものを治療することで症状がよくなることもあります。

そのほか、M蛋白が血液中の凝固因子(血を止めるのに必要な蛋白)に絡みついてしまうことがあります。そうなると、血液中に浮かんでいる凝固因子が減ってしまい、出血しやすい、あるいは血が止まりにくいという症状が出てくることがありますが、頻度は高くありません。