多発性骨髄腫ではいろいろな合併症が起こります。そのなかから「貧血」、「骨病変」、「腎機能の低下」を取り上げ、これらの合併症に伴う症状をどのように予防・軽減できるのかなどを、西村倫子先生(がん研有明病院血液腫瘍科副医長)にわかりやすく解説していただきました。

基礎編

多発性骨髄腫の主な合併症と治療
(前編)

西村倫子 先生
がん研有明病院血液腫瘍科副医長

先生からのメッセージ

多発性骨髄腫に伴って起こる合併症は、病気そのものの治療やいろいろな方法で抑えることができますので、あきらめずに治療と向き合い続けていきましょう

多発性骨髄腫ではさまざまな合併症が起こりますので、つらい思いをされている患者さんも多いと思います。しかし、いろいろな方法で、そういった合併症からくる症状を抑えることができますし、また、多発性骨髄腫そのものを治療することで症状は改善されていきます。症状が軽くなれば、日常生活も改善されるはずです。

一部の患者さんでは、主治医の先生から、痛みを和らげるための医療用麻薬や腎臓の機能を回復させるために一時的な透析(とうせき)を勧められることがあるかと思います。麻薬や透析などというと、最初は抵抗感を感じるかもしれませんが、多発性骨髄腫そのものの治療が効いて症状が軽くなってくれば、医療用麻薬も透析も続ける必要はなくなります。患者さんには、「最初はびっくりするかもしれませんが、だんだん使わなくてもすむようになりますよ」とご説明しています。抵抗感や恐怖心をもたずに、主治医の先生の指示に従って、症状を改善する治療を積極的に受けるようにしましょう。

多発性骨髄腫ではどんどん新しいお薬が出てきていますし、将来的にもっとよい治療法が開発されることが期待されています。つらい症状を少しでも軽くして、きちんと治療と向き合い続けていきましょう。