多発性骨髄腫の患者さんが、受診時に症状をどのように伝えればよいのか、また主治医の先生とよりよいコミュニケーションを築くにはどうしたらよいのかなど、受診される際に役立つアドバイスを、田中江里先生(医療法人沖縄徳洲会 湘南鎌倉総合病院血液内科部長/副院長)にわかりやすく解説していただきました。

基礎編

受診時のワンポイントアドバイス

田中江里 先生
医療法人沖縄徳洲会 湘南鎌倉総合病院
血液内科部長/副院長

先生からのメッセージ

多発性骨髄腫は長くつき合っていく病気ですから、主治医の先生と信頼関係を築くことが大切です

多発性骨髄腫は長くつき合っていく病気です。当然診断された当初は病気に対しての不安に悩まされると思いますが、まず病気を理解することから始めましょう。初めはわからなくても、時間をかけて徐々に理解していけばよいと思います。先生も、患者さんの理解のレベルをみながら話す内容を決めてくれるはずです。わからないときには、はっきりと「わからないのでもう一度お願いします」と言う勇気が大切です。

病気を理解するのと同時に、日常生活では合併症(多発性骨髄腫がもとになって起こる、別の病気や症状)を起こさないように注意しなくてはなりません。私は骨髄腫の患者さんには、次のようにアドバイスしています。重いものを持って歩かない、滑りやすい場所では歩かない。これは腰痛になることを予防し、また転倒して骨折しないようにするためです。また痛み止めや抗生剤の飲みすぎ、造影剤を使用した検査(CTやカテーテル検査など)、脱水などが腎臓のはたらきに影響を与えるため、注意するように話しています。

最近、インターネットでも多発性骨髄腫に関する情報が簡単に入手できますが、少し注意が必要です。病気で心が痛んでいたり、不安になっているときには、インターネットで得た情報がすべて正しく、自分にあてはまるように思えてしまうことがあります。でも、そこで語っている人は患者さんの一部であることを忘れてはなりません。情報を得たことにより、かえって不安になったり傷ついてしまう患者さんもいらっしゃいます。その情報が信用できるものかどうかは自分で判断しなくてはなりません。判断に迷う場合は、信頼できる機関や会社などが運営しているサイト(国立がん研究センター、日本骨髄腫患者の会など)をみるとよいと思います。また、製薬企業などが出しているイラストつきのパンフレットなどもあるので、医師や薬剤師に聞いてみるとよいでしょう。

多発性骨髄腫では、病院とも長いおつき合いになりますから、主治医の先生との信頼関係を築くことはとても大切なことです。医師を信頼できれば、前向きに治療に取り組むことができます。また、患者さんの会などに参加したり、病院の待合室でほかの患者さんとお話しすると、“自分だけじゃない”、“こういう人もいるんだ”、“この人も自分と同じ治療を受けているんだ”と思うことで勇気が出てくることもあるでしょう。

誰でも病気になれば不安になって当たり前です。信頼できる医療スタッフのもとで、家族や友人とともに前向きに病気と向き合うことが大切です。