多発性骨髄腫と呼ばれる病気の中には、いろいろなタイプがあります。そこで、その中から、「MGUS(エムガス)」、「くすぶり型」、「非分泌型多発性骨髄腫」、「孤立性形質細胞腫」を取り上げ、一般的な多発性骨髄腫との違いや日常生活の注意点などについて、小倉和外先生(地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 血液内科医長)にわかりやすく解説していただきました。

*MGUSとは、「意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症」を意味する英語の頭文字をとった名称で、エムガスと読みます。一方、くすぶり型は、「くすぶり型多発性骨髄腫」の略称です。今回は、診察室でよく使われる「MGUS」と「くすぶり型」という名称を使って解説します。

基礎編

いろいろなタイプの多発性骨髄腫

小倉和外 先生
地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター
血液内科医長

先生からのメッセージ

MGUSやくすぶり型の患者さんは、病気のことを過剰に心配する必要はなく、普段通りに生活することを目標にしていきましょう

MGUS(エムガス)やくすぶり型については経過観察が一般的で治療は行われませんので、患者さんは不安に思われるかもしれません。しかし、定期的に受診して検査を受けていれば、さほど心配する必要はありません。くすぶり型の患者さんも過剰な心配は必要なく、万一、治療を始めることになっても多発性骨髄腫の治療法はどんどん進歩していますので、不安に思う必要はないでしょう。また、新しく開発されたお薬の中には、これまでのお薬(抗がん剤)と比べて副作用が少ないものもあります。たとえ治療を始めたとしても、新しいお薬では副作用による症状をかなり抑えられるようになりましたので、悲観する必要もありません。骨髄腫細胞を完全になくすことは難しいのですが、過度に心配することなく、「適切な時期に適切な治療を行えばよい」という心構えで、病気とうまくつき合って、“普段通りに生活すること”を目標にするとよいでしょう。

また、孤立性形質細胞腫と診断された患者さんでは、放射線治療などの効果的な治療法があり、また再発したとしても治療法があります。多発性骨髄腫の治療は進歩していますので、希望をもつことが大切です。