多発性骨髄腫で腎障害が起こるのはなぜ?

日常生活での注意点

Q4.
腎障害を予防したり、症状を軽くするために、日常生活における注意点を教えてください
A4.
水分を補給したり、塩分を控えることなどが重要です

日常生活では、患者さん自身で腎障害を予防したり、症状を軽くするためにできることがたくさんあります。

まず、第一に、水分を補給することです。年齢や合併症(多発性骨髄腫以外の病気)があるかどうかによりますが、1日に1〜2リットルを目安に水分(水やお茶)をとるようにしましょう。心臓が悪い方でも、1リットル弱はとっていただきたいと思います。スポーツドリンクは、塩分が多く含まれていますので、1日に飲む量の半分から3分の1くらいにして、残りは水かお茶を飲むようにするとよいでしょう。

食事に気をつけることも大切です。特に、塩分を控えることがいちばん重要です。ただ、あまり控え過ぎると血圧が下がる方がいらっしゃいますので、できる範囲内で控えるのがよいと思います。また、一般的に慢性腎炎の方などでは蛋白質を制限しますが、多発性骨髄腫によって腎障害を起こしている患者さんでは、そこまで厳密に制限する必要があるのかどうかはわかっていません。多発性骨髄腫の患者さんには「塩分を控えながら、食べられるものは食べて、水分はしっかりとってくださいね」と、大ざっぱな目安だけをお伝えするようにしています。多発性骨髄腫で腎臓の機能が悪くなっている方と腎炎や糖尿病が原因で悪くなっている方とでは、必ずしも生活上の注意点が一致しないということを知っておいてください。

さらに、規則正しい生活や十分な睡眠を心がけ、過労、肥満、喫煙、過度の飲酒などは控えた方がよいでしょう。運動については、骨の痛みや骨折などがなければ、主治医の先生の判断を仰いだ上で、適度に動いた方がよいと思います。

また、もし発熱や下痢などの症状が3日以上続くようであれば、脱水を起こす危険性があります。夜間や休日診療を行っている病院でもかまいませんので、早めに受診するようにしてください。発熱がみられた場合、勝手な判断で解熱(げねつ)鎮痛剤を服用することはやめた方がよいでしょう。お薬によっては腎障害を悪化させる恐れがありますから、必ず医師の指示を受けてください。また、特に夏場は食中毒による下痢が起こりやすい時期ですから、注意する必要があります。

多発性骨髄腫の治療をきちんと行えるようにするためにも、これらの注意点を守って、腎障害を悪化させないことが大切です。