多発性骨髄腫で腎障害が起こるのはなぜ?

腎障害の診断と治療

Q3.
腎障害の診断と治療は、どのように行いますか?
A3.
クレアチニンなどの検査で腎障害がわかります。腎障害と診断されたら、水分を補充し、尿の出をよくすることなどが必要ですが、多発性骨髄腫そのものの治療をきちんと受けることが最も大切です

多発性骨髄腫の患者さんの場合、症状が出る前に、血液検査などによって腎障害が見つかることがほとんどです。血液検査でクレアチニンの値を調べると、腎障害があるかどうかがわかります。クレアチニンは、血液中に含まれる老廃物の1つです。通常は尿中に排出されるのですが、腎機能が悪くなると排出されなくなり、血液中にたまっていきますので、血液検査を行うとクレアチニンの値が上がっています。クレアチニンが6mg/dLを超え、腎障害がかなり進行すると、倦怠感(けんたいかん)や食欲不振などの尿毒症の症状が出てくるようになります。腎障害があるかどうかを判定する検査項目には、ほかに尿素窒素(BUN)、尿酸、アルブミン、尿蛋白などがありますから、覚えておくとよいでしょう。

腎障害の診断を受けた患者さんのなかには、治るのかどうかを心配されている方が多いと思いますが、いくつかの治療法があります。一般的な治療は、補液(ほえき)(水分を補給する方法)と利尿(りにょう)(尿の出をよくする方法)です。そのほか、急性の腎不全では積極的に透析(とうせき)を行います。これは1〜3週間というごく短期間だけ行うもので、腎機能が回復すれば透析を続ける必要はありません。生涯にわたって続けなければならない透析とは、考え方も方法もまったく違うのです。急性期に透析を行えば体が楽になります。透析と聞いただけで「嫌だ」と思わずに、主治医の先生に透析を勧められたら、ぜひ受けた方がよいと思います。特に、早めに受けた方がよい結果につながる可能性があります。

一方で、腎障害を改善するには、多発性骨髄腫そのものを治療することが最善の策です。腎障害の程度にもよりますが、多発性骨髄腫の治療をきちんと受けていれば、半数以上の患者さんで腎機能が回復するようです。特に、新しいお薬を使った治療をしている患者さんでは、6〜7割くらいの確率で腎機能はよくなる印象をもっています。