どんな治療があるの?

治療の選択

Q3.
多発性骨髄腫では、どのように治療を決めていくのですか?
A3.
症状がある患者さんに対して、年齢や全身状態などをもとに一人ひとりの患者さんの状況に合った治療を行います

多発性骨髄腫と診断されても、すべての患者さんがただちに治療を開始するというわけではありません。基本的には、なんらかの症状がある(症候性(しょうこうせい)と言います)患者さんに対して治療を行います。なにも症状がない(無症候性(むしょうこうせい)と言います)患者さんの場合には治療をすぐには行わず、定期的な通院で経過を見守って、症状があらわれた場合に治療を始めます。

症候性か無症候性かを診断する際の目安の一つが“CRAB(クラブ)”です(表)。“CRAB”の中のいずれかが認められる場合には、症候性と診断し治療を行うことになります。

表 “CRAB”は症候性か無症候性かを診断する際の目安の一つです

治療は、自家造血幹細胞移植の適応になるかどうかで大きく分かれます。患者さんの年齢や全身状態などをみながら患者さんと相談して、総合的に判断し治療法を決めます。

自家造血幹細胞移植は、一般的には、「年齢が65歳以下」「肝機能・腎機能・心肺機能などが十分に保たれている」「感染症にかかっていない」患者さんに対して行います。「年齢が66歳以上」あるいは「65歳以下でも全身状態があまりよくなかったり、感染症にかかっている」患者さんでは、抗がん剤や新規薬剤による治療を行います(図1)

図1 患者さんの年齢や全身状態、感染症の有無などを総合的に判断して治療法を決めます

年齢を65歳で区切っているのは、自家造血幹細胞移植の有効性が示された臨床試験の多くが、65歳以下の患者さんで行われたためです。実際には、66歳以上の患者さんでも全身状態のよい方などには自家造血幹細胞移植を行うことがあります。