感染症にかからないために

感染症の症状

Q2.
多発性骨髄腫では、どのような感染症にかかりやすいですか?
A2.
呼吸器感染が最も多く、ほかに尿路感染、口内炎、帯状疱疹(たいじょうほうしん)などが起こります

多発性骨髄腫の患者さんでは、風邪や肺炎などの呼吸器感染が最も多くみられる感染症です。熱がある、咳(せき)が出る、黄色や緑色の痰(たん)が出る、などの症状がみられた場合は、肺炎を疑ってレントゲンを撮る必要があります。さらに、お薬の影響もあって口内炎が起こり、それが原因で二次感染(ある感染症に続いて別の感染症が起こること)が生じる場合もあります。また頻度は少ないですが、排尿時に痛みがある、頻尿(ひんにょう)(おしっこを何度もしたくなる)、尿が濁っている、などの症状をともなう腎盂炎(じんうえん)や膀胱炎(ぼうこうえん)になる場合もあります。その際は受診して、尿検査を行い、尿の中に細菌や白血球が増えていないかどうかを調べることが必要です。

ウイルス感染症としては、帯状疱疹(たいじょうほうしん)を起こす患者さんも比較的多くおられます。帯状疱疹はこじらせると、後になって神経痛の原因になることもある辛い病気です。帯状疱疹になると、皮膚(特にお腹、顔、首の周りなどで左右どちらかに偏った部分)が赤くなる、水疱(すいほう)(水ぶくれ)ができる、痛みまたはかゆみがあるなど、違和感を感じるようになります。このような症状がみられた場合には急いで受診する必要があります。

これらの感染症は、血液検査で白血球、なかでも好中球(医療施設によっては、検査項目に分葉核球(ぶんようかくきゅう)と記載されている場合もあります)やリンパ球、正常なグロブリン(特にIgG)が減っている場合にかかりやすいため、注意が必要です。感染症にかかっているかどうかは、血液検査を行って、CRP(シーアールピー)(C反応性蛋白)という肝臓でつくられる蛋白の値が高くなっていることでわかる場合があります。しかしCRPは、症状が出てから遅れて数値が高くなることもありますので、まず患者さん自身で症状の進行具合に注意を払うことが大切です。

感染症にかかった場合、外来で治療を行う場合と入院での点滴治療が必要になる場合があります。この判断はむずかしいのですが、血液検査で白血球数がさほど低下しておらず、症状も比較的初期の段階であれば、抗生物質を飲んでいただき、外来治療で様子をみることがあります。その場合、3日くらいを目安とし、3日経っても症状がよくならなければ受診し、場合によっては入院を考慮した方がよいと思います。もちろん、3日を待たずに症状がどんどん悪化するようであれば、直ちに受診する必要があります。