検査値を知る

検査でわかる合併症

Q3.
多発性骨髄腫では、どのような合併症を検査しますか?
A3.
肝機能、腎機能、感染症の検査が必要です

合併症(多発性骨髄腫以外にかかっている病気)による臓器障害があると、お薬による治療が行えない場合があります。臓器障害をみるには、一般的に肝機能や腎機能を検査しますが、最近、特に問題となっているのは脂肪肝による肝機能の低下です。食生活が贅沢になってきたためか体重が増え、脂肪肝になる方が増えているようです。肝機能が悪い場合には超音波検査を行って、脂肪肝があるかどうかを調べることが必要です。多発性骨髄腫患者さんの治療で用いられる副腎皮質ホルモン(ステロイド)は、脂肪肝を助長する場合がありますので、注意する必要があります。

一方、腎機能が低下すると、クレアチニンが上がります。腎機能低下が高じると、腎臓から尿中に排泄されなくなることにより、血中のカリウムやリンの値も上昇してきます。腎機能は糖尿病や高血圧など、他の病気が原因で低下することもありますが、多発性骨髄腫そのものによっても低下します。クレアチニンの検査だけではどちらによるものかを区別することはむずかしいため、初診時には、血圧が高くないかどうか、糖尿病がないかどうかなどを必ず確認するようにしています。また、全身CT検査を行う場合、造影剤を使うと腎機能が悪くなる可能性がありますので、多発性骨髄腫の患者さんでは、造影剤の使用を避けた方がよいでしょう。

また、多発性骨髄腫の患者さんにとって、感染症は非常に重要な問題です。多発性骨髄腫の患者さんの死因は、感染症であるといっても過言ではありません。感染症にかかっている場合に多発性骨髄腫の治療を行うと、お薬の副作用の影響で命取りになる危険性もあります。感染症があるかどうかは、血液検査を行って、CRP(C反応性蛋白)や白血球数を調べるとわかることがあります。これらは、肺炎、蓄膿症(ちくのうしょう)などの細菌感染症にかかっている場合に上昇しますので、初診時だけでなく、その後の定期検査でも必ず調べる必要があります。CRP値は、骨髄腫自身でも上がることがありますので、感染症によって上がっているのか、どちらが原因で上昇しているかは治療を継続する上で判断が重要となります。