多発性骨髄腫ってどんな病気?

多発性骨髄腫の症状とは

Q2.
多発性骨髄腫ではどんな症状がみられますか?
A2.
三大症状は、①貧血、②骨痛や骨折、③腎臓機能の悪化(むくみが出たり尿が減る)、です

患者さんによって症状はさまざまですが、一般的に、①血球(赤血球、血小板、白血球)が減少し、貧血などの症状が起こる、②骨に障害が起こり、腰痛が起きたり、骨折しやすくなる、③腎臓の機能が悪くなり、むくみが出たり尿が減る、というのが三大症状です(図4)

図4 多発性骨髄腫ではさまざまな症状があらわれます

では、なぜ血球が減少するのでしょう。骨髄腫細胞は骨髄(血液の工場)の中でどんどん増え続け、しだいに正常な造血細胞(血液をつくる細胞)を押しのけてしまいます。その結果、正常な血液がつくれなくなり、血球が減少します。赤血球が減ると貧血になりますし、血小板が減ると血が止まらなくなって出血が起こります。また、白血球が減ると、抵抗力が落ちて、肺炎や尿路感染などの感染症にかかりやすくなります。

このような血球減少は白血病などでもみられますが、骨に障害が起こるのは多発性骨髄腫に特徴的な症状です。骨髄腫細胞は、自分で骨を壊す物質を出したり、また別の細胞に骨を溶かす物質を出すように働きかけます。その結果、しだいに骨が溶けてもろくなっていきますので、最初は腰痛に何度もなるなど、強い骨粗鬆症と同様の症状があらわれます。それがさらに進むと、病的骨折と言って、弱い力でも骨が折れてしまうという状態になります。多発性骨髄腫は血液の病気ですが、骨の痛みを伴うことが大きな特徴です。

そのほかにも、骨が溶けると私たちの体にいろいろな害を及ぼします。骨の中のカルシウムが血液の中に出てきますので(これを“高カルシウム血症”と言います)、脱水症状(口が渇く)や精神障害、意識障害といった症状がみられることがあります。

最後に、多発性骨髄腫ではなぜ腎臓の機能が悪くなるのでしょう。多発性骨髄腫では、役に立たない抗体(M蛋白)が体内に増えます。このM蛋白が血液の流れにのり、腎臓に運ばれて沈着し、アミロイドという物質になると、腎臓の機能が低下して、さまざまな障害があらわれます。また、患者さんによっては特殊なM蛋白をもっている場合がありますが、これは通常のM蛋白より小さいため、すぐに腎臓から尿として出ていきます。その後、M蛋白は尿細管という管の中を通っていきますが、その際、管の中にM蛋白がつまってしまうことがあり、その場合にも腎臓の機能が悪くなります。